住宅 #002 現状への不満はどこから生まれるのか

Research Series 01
意思決定はどこから始まるのか

Research Note #002

研究テーマ

現状への不満はどこから生まれるのか


1. Research Question(研究課題)

住宅購入者は、どのような心理的・環境的要因によって現在の住まいへの不満を感じ始めるのか。


2. Observation(観察事実)

住宅購入者へのインタビューや既存研究では、住宅購入を検討し始める前段階として、現在の住環境への不満が蓄積しているケースが多く確認される。

代表的な内容として、

  • 子どもの成長に伴い部屋数が不足した
  • 収納スペースが足りない
  • 家賃を払い続けることへの疑問
  • 騒音や近隣環境への不満
  • 駐車場が狭い
  • 在宅勤務で生活空間が不足した
  • 将来も賃貸で暮らすことへの漠然とした不安

などが挙げられる。

一方で、これらの不満が生じても、直ちに住宅購入へ進むわけではない。


3. Surface Motivation(表面的欲求)

住宅購入者が口にする主な欲求は、

  • 広い家に住みたい
  • 子ども部屋が欲しい
  • 家賃がもったいない
  • 収納を増やしたい
  • 駐車場付きの家が欲しい
  • 生活しやすい家に住みたい

などである。


4. Deep Insight(深層インサイト)

表面的には住環境への不満として表現されるが、その背景には、

「現在の暮らしでは、自分や家族が望む生活を実現できないのではないか」

という将来への不安が存在する可能性がある。

住宅購入者が求めているのは住宅そのものではなく、

  • 家族が安心して暮らせる生活
  • 将来に対する安心感
  • 理想の暮らしの実現
  • 自分らしい生活空間

である可能性がある。


5. Bias Analysis(認知バイアス分析)

本研究では、以下の認知バイアスが影響している可能性が考えられる。

現状維持バイアス

現在の住まいに不満があっても、「今のままでも何とかなる」と考え、行動を先送りする。

利用可能性ヒューリスティック

身近な出来事(子どもの成長、近所の新築、知人の住宅購入など)が強く印象に残り、不満をより大きく認識する。

ネガティビティバイアス

日常生活で感じる不便やストレスが積み重なり、現在の住環境への評価が低下する。


6. Decision Stage(意思決定マップ上の位置)

Phase1:現状認識

住宅購入意思決定の出発点となる段階。

住宅を購入するかどうかではなく、「現在の生活を変えたい」という認識が形成されるフェーズである。


7. Decision Trigger(意思決定トリガー)

現状への不満を強める要因として、

  • 子どもの成長
  • 家族構成の変化
  • 在宅勤務
  • 家賃の値上がり
  • 周囲の住宅購入
  • 賃貸契約更新

などが挙げられる。

これらが現状認識を強める契機となる可能性がある。


8. Decision Barrier(意思決定阻害要因)

現状への不満を認識していても、

  • 今すぐではない
  • 資金面への不安
  • 家族との意見の違い
  • 情報不足
  • 行動する時間がない

などの理由から、住宅購入の検討を先送りするケースが見られる。


9. Hypothesis(研究仮説)

住宅購入の意思決定は、「家が欲しい」という欲求から始まるのではなく、

現在の暮らしへの不満が一定水準を超えたときに初めて動き出す可能性がある。

また、不満そのものよりも、

「このままでは理想の生活を実現できない」

という認識が意思決定開始の重要な契機となる可能性がある。


10. Practical Implication(実務への示唆)

住宅購入を促す情報発信では、住宅性能や商品説明だけでなく、

住宅購入者が抱える「現在の暮らしへの不満」を言語化することが有効である可能性がある。

広告、ホームページ、見学会、営業においても、

「どんな家を建てるか」

ではなく、

「現在の暮らしで感じている不満や違和感」

を起点としたコミュニケーションが、意思決定を前進させる可能性が考えられる。


11. Next Research Question(次回研究課題)

現状への不満を認識した住宅購入者は、

ライフイベントによって意思決定の優先順位をどのように変化させるのか。


本Research Noteについて

本Research Noteは、住宅購入者の意思決定を理解することを目的とした研究資料です。

記載内容は、インタビュー、観察、既存研究、心理学、行動経済学等を参考に構築した研究仮説であり、今後の共同研究を通じて継続的に検証・更新されます。


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営業を研究しているのでもありません。

住宅購入者の意思決定を研究し、その成果を営業導線へ実装することで、契約率改善につなげる研究機関です。

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